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《KOTOHOGI》

 2018

  Installation of photo book.

 size:700mm×1000mm, P30, 45kg

「異質」(土地や民族による差異)と「同質」(人類の根源的な共通性)が、

 一冊の中で波のように繰り返す。 

日本とルーマニア、2つの祖国における「信仰」を紐解く。

 日本は極東の島国として、ルーマニアはかつて社会主義国であった影響から、

現在も昔のものが残るタイムカプセルのような存在だと表される事がある。

 

火や水の祭は、多くの国に存在する。

それらのイメージを連続させると、どれがどの国のものか次第にわからなくなってゆく。 
2つの祖国に根を下ろすための個人的な行為から、あの時感じたような普遍的な感覚が立ち上がる。 

それは、初めてアウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所跡を訪れたときのことである。

現在の強制収容所跡は、かつての悲劇をほとんど感じさせないほどに整備が行き届き、

たどり着くまでに固めた覚悟を裏切られるような感覚に陥った。

そんな中、ふと前を行く正装したユダヤ人の集団に気がついた。

彼らが、収容者の肩掛けが展示されている部屋を通り過ぎようとしたとき、 最後尾の数名の中から微かな歌声が聞こえてきた。

真偽を確かめる術はないがそれは、自然と口から漏れた祈りの歌だと確信した。

彼の肩にかかっているもの(現在)、そしてガラス越しのかつての収容者の肩掛け(過去)が、

生きている時代の違いを超えて急速に結びつくのを感じた。 

この時の強烈な経験から、「過去と現在」「見える世界と見えない世界」が結びつく瞬間を追い求めている。

そして分断されたかのように見える、現在と過去を縫い合わせ、地続きにする事を試みる。

 

"Heterogeneity" (difference between land and ethnicity) and "homogeneity" (basic commonality of humanity) repeat like a wave in one book.

Unravel the “faith” in Japan and Romania, the two home countries.
Japan is said to be an island nation in the Far East, while Romania is once a socialist nation. Festivals of fire and water exist in many countries.
If you put those images in series, you gradually lose track of which one belongs to which country.
From the personal act of rooting in the two home countries, a universal feeling as felt at that time was set up.


展示風景

撮影:川瀬一絵(ゆかい) 

写真提供 : スパイラル/株式会社ワコールアートセンター

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30のイメージ
撮影:作者・スクリプカリウ落合安奈

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